第48回全国高等学校総合文化祭書道部門への参加
7月31日(水)に総合開会式が行われた第48回全国高等学校総合文化祭~清流の国ぎふ総文2024~に書道部門へ4名の生徒が出品しました。
今回はその作品と生徒たちのコメントをご紹介します。
香川県立高松商業高等学校3年 𠮷田 葵さん 「臨 爨宝子碑」【読売新聞社賞を受賞】
①自分の作品についての紹介、制作において大変だったところやこだわったところは?
私は今回、爨宝子碑の他にはない迫力とその独特な書風に強い魅力を感じ、この作品を選びました。用具は羊毛筆を選択し、線質を意識しながらその反りを強調したり、墨の潤渇から作られる余白を考えたりしながら、丁寧に作品制作を進めました。制作の過程でなかなか思うような表現ができず、苦しむことが多々ありましたが、今まで長年にわたって書道を続けてきた自分の集大成となる作品が作れたと思っています。
②全国高等学校総合文化祭に参加しての感想は?
とても楽しい2日間でした。展示会場では、各県から選ばれたレベルの高い作品に圧倒されました。どの作品も努力の跡が見られると同時に、各自が古典作品をどう表現したいのかの工夫が見られ、学べる事が多くありました。交流会では、普段関わることのできない他県の生徒と制作や鑑賞で仲を深めることができ、貴重な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
香川県立三木高等学校3年 三原 百華さん 「臨 伊都内親王願文」
①自分の作品についての紹介、制作において大変だったところやこだわったところは?
私が今回臨書した作品は、「伊都内親王願文」です。願文特有の鋭い線質や全体の躍動感に魅了され、この作品を選びました。作品全体を通して余白を美しく見せることを一番に心掛け、文字の大小や行脚のまとめ方、線質を意識して制作に取り組みました。
②全国高等学校総合文化祭に参加しての感想は?
全国から出品された作品に圧倒されました。全国の高校生と交流し、筆筒やしおり作りができてとても良い経験になりました。また、私は1年生の頃から全国総文祭を目標に練習してきました。本大会の作品制作を通して、多くの方々の支えがあって書道が続けられているのだと実感することができました。そして、全国総文祭へ出場できたことで様々な面で成長することができました。全国高等学校総合文化祭においてご尽力いただいた皆様に感謝しています。
香川県立高松南高等学校3年 佐藤 里洋さん 「臨 曹全碑」
①自分の作品についての紹介、制作において大変だったところやこだわったところは?
曹全碑の特徴である柔らかな波磔や字形を横長に書くことにこだわりました。太く、穏やかな線質にすることで文字の中の余白を減らし、充実感を持たせました。隣の行の文字と頭を揃えることが大変でした。
②全国高等学校総合文化祭に参加しての感想は?
全国展ではまだ挑戦したことのない作品が多く見られてとても楽しかったです。交流会をする前は緊張していましたが、全国から集まった高校生と交流して皆がどのような思いで書道に向き合っているかを知ることができました。私も今回の経験を活かして後輩たちにも書の楽しさを伝えていきたいと思います。
香川県立観音寺総合高等学校3年 嶋﨑 葵さん 「臨 風信帖」
①自分の作品についての紹介、制作において大変だったところやこだわったところは?
私は動きのある行書を書くことが好きで、今回はその中でも地元香川県で有名な空海の書を選びました。臨書をする上で、空海本人の書をよく観察し、太細の変化や字形などを再現できるようこだわりました。作品として一行にどのように文字を収めるかが難しかったです。一字目の「風」の字形が特に難しく、何度も練習しました。
②全国高等学校総合文化祭に参加しての感想は?
初めは全国総文祭と聞いても何をするかも分からず不安だったのですが、参加してみると全国の高校生と交流することができ、たくさんの書に触れることができました。作品も私が知らないようなものや初めて見るものが多く、様々に感じ取ることが多くありました。今回大会に参加したことで、書への興味がより一層増しました。人生で一度経験できるか分からないような経験ができ、本当に良かったです。楽しい2日間を過ごすことができました。
また、今回は来年度にかがわ総文祭2025の開催を控えているということで、書道部門の閉会式で部門委員の生徒と出品生徒が大会マスコットキャラクターのさぬぽんと共に登壇し、かがわ総文祭2025のPR活動も行いました。岐阜県からの熱いバトンを受け、香川県もいよいよ大会に向け本格的に準備を進めていくことになります。