令和5年度 書道実技講習会
8月7日(月)・8日(火)に高松市の穴吹医療大学校を会場として今年度の書道実技講習会が行われました。
講習会には県内高校の書道部員30名と各校の書道教員が参加しました。
最初に高松工芸高校の金子校長より、講習会に参加した書道部員に向け有意義な作品制作の時間となるようご挨拶をいただきました。
また、今年度は講師を迎えず、各校の書道教員が生徒の実技指導にあたりました。
今年は弘法大師空海の御生誕1250年ということで、昨年度に続き空海の書を題材に作品制作を行いました。
今年度は、まず空海の「金剛般若経開題残巻」を各校で分担し臨書に取り組みました。
「金剛般若経開題残巻」(次の画像参照)は空海が金剛般若経を密教の立場から解釈し記したもので、奈良国立博物館に所蔵されている国宝です。
生徒たちは空海の書を細かく観察しながら丁寧に臨書に取り組み、繰り返しグループごとの鑑賞会も行いながら制作を進めました。
その後、空海の「灌頂暦名」をもとに倣書作品の制作に取り組みました。
「灌頂暦名」(次の画像参照)は弘仁3年(812年)から弘仁4年(813年)にかけて高雄山寺で空海から密教の入門儀式である灌頂を受けた人名を記録したものです。
今回はこの形式に倣って生徒の氏名と学校名、校訓等を半切に揮毫しました。
生徒たちは空海の書に思いを馳せながら、力強い線で書けるよう集中して筆を動かしていました。
制作過程で、互いに作品の批評をし合うことにより、空海の書にどのように近づけていくか共に考えながら制作を進めていきました。
2日間の最後には生徒が書き上げた作品を並べ、作品の鑑賞会を行いました。
それぞれが思いを込めた素敵な作品が出来上がりました。
最後に全員で集合写真を撮り、2日間の実技講習会を締めくくりました。
なお、今回制作した作品は令和6年1月に高松市美術館で開催される香川県高等学校総合文化祭書道展に展示される予定です。